いつもの日本ホラーだと思って観たら──いい意味で裏切られました。
サユリは、ただ怖いだけじゃない。
むしろ最初は、かなり王道。
家族が引っ越してきた家で、少しずつ“何か”がおかしくなっていく。
だけど途中から一気に予想外の方向へ振り切った、かなり攻めた作品です。
そんな『サユリ』を、今回はご紹介します。
とにかく、おばあちゃんが最高すぎる

物語は、家族が次々と命を落としていくという最悪の展開から始まります。
絶望のどん底に落ちる主人公の男の子。
見ているこちらも、かなりしんどい。
……と思いきや。
ここでまさかの展開。
今までぼけていたおばあちゃんが、ファンキーおばあちゃんに覚醒します。
この切り替わりが、とにかく強烈。
「病は気から」と言わんばかりに、
幽霊に対抗するには“生きている側のエネルギー”が大事だと、主人公を鍛え直していくんです。
このおばあちゃん、強い。メンタルもノリも全部強い。
そして気づけば──
ホラー映画なのに、笑っていました。
怖いのに、ちょっと笑える。このバランスがすごい!
ホラーとしての“じっとりした怖さ”はしっかりあるのに、
おばあちゃんと主人公のタッグが、いい意味で空気をぶっ壊してくる。
このバランスが絶妙です。
ただ怖いだけじゃない。
でも、ふざけてるわけでもない。
だからこそ、観ていて感情が忙しい。
怖い→ちょっと笑う→またゾワッとする、の繰り返し。
その緩急のおかげで、まったく中だるみしない。
最後までテンポよく進んでいくのも、かなり好印象でした。
“サユリ”の過去が重すぎる…

そして忘れちゃいけないのが、家に巣くう存在の過去。
この霊には、ちゃんと“理由”があります。
生前、父親からの虐待を受け、
誰にも守られず、孤立していき、
最後は家族によって命を奪われる──
かなり重い背景です。
だから単なる“怖い存在”では終わらない。
どこかで「こうなるしかなかったのかもしれない」と感じてしまう。
……とはいえ、
関係ない人を巻き込むのは、やっぱり違うんですけどね。
原作は押切蓮介。クセになる世界観の持ち主
この独特な世界観の原作は、
押切蓮介。
ポップな作品からホラーまで振り幅の広い作家ですが、
共通しているのは「日常のズレ」を描くうまさ。
代表作をいくつか見てみると、その特徴がよくわかります。
■押切蓮介の主な作品
| 作品名 | ジャンル | 特徴 |
|---|---|---|
| 『ハイスコアガール』 | ラブコメ / 青春 | ゲーム×初恋。懐かしさと切なさが共存 |
| 『ミスミソウ』 | ホラー / サスペンス | いじめと復讐。人間の闇がむき出し |
| 『でろでろ』 | ホラー / コメディ | 幽霊×ギャグ。不気味さと笑いの融合 |
| 『サユリ』 | ホラー | 家族×怪異。怖さと人間ドラマが同居 |
派手な展開よりも、
じわじわと日常が崩れていく怖さ。
でもそこに、どこか人間くささが残る。
『サユリ』のあの独特な空気感は、
まさに押切作品らしさそのものです。
どこで観られる?
「ちょっと気になるかも」と思ったら、VODでチェックしてみてください。
『サユリ』は、
・Amazon Prime Video
・Hulu
・Netflix
などで配信されています(※時期によって変わるので要確認)。
「サユリ」は新感覚ホラーの新鋭
怖い映画を観ているはずなのに、
気づけばちょっと笑っていて、
でも最後には、しっかり心に何かが残る。
サユリは、
**恐怖・ユーモア・人間の痛みが全部入りの“新感覚ホラー”**です。
そして何より──
おばあちゃんが最強。

