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『タリーと私の秘密の時間』が刺すのは“母親のリアル”──疲れた夜に観てほしい理由と、あの衝撃の結末

この映画は、「完璧じゃなくていいよ」って
疲れ切った心を優しく抱きしめてくれます。

子育てに追われて、気づけばもう深夜。
洗濯物はまだ山積みで、明日の支度も終わっていない。
ふと「なんで私だけ……」ってため息がもれる夜、ありませんか?

そんな夜に、そっと差し出したいのが 『タリーと私の秘密の時間Tully))』 です。

この映画には、きれいごとも、強がりもありません。
母親が抱えるリアルな“しんどさ”を、
ごまかさず、真正面から映し出してくれる物語なんです。

ネタバレは控えつつ、
映画の核になる結末には、きちんと触れて いきます。
今つらいあなたへ、少しでも心が軽くなりますように。

目次

🎬映画『Tully』作品情報

映画『Tully』の基本情報を簡単にまとめておきます。
初めて観る方も、ここだけ軽く目を通してみてください。

項目内容
タイトルタリーと私の秘密の時間(Tully)
公開年2018年
監督ジェイソン・ライトマン
主演シャーリーズ・セロン
ジャンルヒューマンドラマ
キーワード産後疲労、ワンオペ、心の限界、優しい現実

📖『Tully』のあらすじ──冒頭から “あ、わかる…” と心がざわつく

主人公のマーロは、3人の子どもを育てる母親です。
赤ちゃんは夜泣きでまとまって眠ってくれず、
上の子は学校で問題を抱えている。
家の中はいつもバタバタで、心が休まる時間がありません。

夫は決して悪人ではありません。
ただ、気づくとソファでゲームをしている。
よくある光景なのに、なぜか胸に刺さる。
「わかってほしい」のに、言葉にできない距離があります。

特に印象に残るのが、
夜中、ぼんやりとおむつ替えをするシーン。
眠気でまぶたが落ちそうなのに、
また赤ちゃんの泣き声が聞こえてくる。

あのマーロの表情を見て、
「これ、私もやってたな……」
そう思わず飲み込んだ人、きっと多いはずです。

そんな限界寸前の日々の中で、
マーロの前に現れるのが、夜専門のベビーシッター・タリー。
彼女の存在が、この物語を静かに、けれど確実に動かしていきます。

優しいだけじゃ終わらない──『Tully』が描いた母親の本音

『Tully』が他の子育て映画と少し違うのは、
母親を「がんばっている人」としてだけ描かないところです。

マーロは、ちゃんと子どもを愛しています。
でも同時に、イライラもするし、投げ出したくなる日もある。
自分の時間も、自分らしさも、どこかに置いてきてしまった。

この映画は、
「母親なんだから仕方ないよね」
「みんな通ってきた道だよ」
そんな言葉で片づけません。

特に苦しくなるのは、
マーロ自身が「もう限界だ」ということに、気づいていないところ。

疲れているのに、無理をして、
「まだ大丈夫」と思い込んでしまう姿が、とてもリアル。

『Tully』は、
がんばったら報われる、という話ではありません。
だからこそ、きれいな感動にはならない。

でもその分、
「母親だって、しんどいって思っていい」
その事実を、ちゃんと肯定してくれます。

やさしいだけじゃない。
現実から目をそらさない。
だからこの映画は、疲れた心に深く刺さるのだと思います。


あの結末が突きつけるもの(※ネタバレあり)

『Tully』の終盤で明かされる真実は、
「そうだったのか…」という驚きよりも、
胸の奥がすっと冷えるような感覚を残します。

タリーは、救いの天使でも、奇跡でもなかった。
彼女は、マーロが限界まで追い込まれた末に生み出した、
“もう一人の自分”だった。

疲れたときに、誰かが現れてすべてを助けてくれる――
そんな物語にはしない。
代わりに突きつけてくるのは、
「ここまで無理をしていた」という事実そのものです。

マーロが弱かったからではありません。
ちゃんとやろうとしすぎた結果だった、ということです。

母親だから。
家族のためだから。
自分が踏ん張れば、なんとかなるから。

そうやって積み重ねた“がんばり”が、
静かに心を削っていった。

この結末は、
「あなたも同じだ」と責めるためのものではありません。
むしろ、こう問いかけてきます。

——本当に、もう限界じゃない?

『Tully』が怖いほどリアルなのは、
この問いが、誰にでも起こりうるからだと思うのです。

「もう無理な夜」に、『Tully』を思い出してほしい理由

「もう無理」って、
本当は声に出しちゃいけない言葉みたいに扱われますよね。

母親なんだから。
選んだ道なんだから。
みんなやってるんだから。

『Tully』は、
そうやって押し込めてきた言葉を、無理やり引きずり出してきます。

赤ちゃんは泣き止まない。
体は限界なのに、横になる余裕もない。
誰も悪くないのに、ひとりだけ取り残された感じがする。

そしていちばん刺さるのは、
「助けて」と言えない自分です。

頼れないわけじゃない。
でも、頼るための気力がもう残っていない。
説明するのも、期待するのも、傷つくのも疲れた。

『Tully』は、
そんな心の状態を「甘え」や「弱さ」で片づけません。

むしろ、
限界まで我慢した結果、心が壊れかけていることを
はっきりと、でも静かに見せてきます。

観ていて苦しい。
正直、楽しくはない。
でも目をそらせない。

なぜならそこにいるのは、
特別な母親じゃなくて、
あなたと同じように疲れ切った人だから。

『Tully』は、
「がんばろう」と背中を押しません。
「ちゃんとしなさい」とも言いません。

ただ、こう囁いてくる。

——ここまで追い込まれても、
あなたの価値は、何ひとつ減っていない。

もう無理な夜、
自分を責める前に思い出してほしい映画です。

『Tully』がそっと置いていったもの

『Tully』は、
元気をくれる映画でも、前向きにさせてくれる映画でもありません。

ただ、
ここまで追い込まれるほど、ひとりで頑張ってきたんだね、
と静かに認めてくれます。

子育てに疲れた夜に欲しいのは、
答えや励ましじゃない。

「それ、つらかったよね」と
そっと隣に座ってくれる存在。

『Tully』は、
その役割を果たしてくれる映画です。

現在、『Tully』は以下のサービスで配信されています。
(※配信状況は変更されることがあります)

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